骨格整体


経過観察の側弯症について

 

背骨そのものには変形が無く、経過観察とされる背骨の歪みは非構築性側弯症(機能性側弯)と呼ばれる形態の方が多いようです。

姿勢の悪さなどから生じると思われる背骨の歪みは「ニセの側弯症」とも呼ばれるようです。

 

本人には全く痛みや違和感が無いケースもありますが、背中や腰が痛む方もおられます。

病院では、マッサージや整体は効果が無いのでやらないようにと言われることもあるようです。

 

私は、

骨を引っ張っている筋肉をゆるめれば自然と背骨は整うと思いますし、実際のところ整う方が大半です。

 

しかし、ある整形外科医からはそんな簡単な仕組みじゃないと罵倒されました。

 

たしかに、そんな簡単な仕組みで無いことは承知していますが、堅い筋肉に刺激を入れるだけで背骨はまっすぐに整うように人間の自己治癒能力は高いと思います。

 

中学生の時から側弯症だと連れてこられた30代の方の背中を拝見した時、右肩が大きく肥大して長期間側弯だったことが見てとれましたが背骨はまっすぐでした。きっと最近、自力で背骨がまっすぐに戻ったのだと推測されます。フットサルを楽しんでおられるそうなのでプレー中の刺激がうまく作用したものだと推測します。

また、一方では、何ヶ月施術してもはまらない方がおられます。再生不良性貧血の疑いがあり、骨髄が赤色ではなく黄色に変色するのを薬で抑えておられる方で、背骨の自己治癒能力が低いのが原因だと思われます。

 

整体で治すことはできませんが、刺激を与えることで、自己治癒能力を発動させて整うお手伝いをすることはできるかもしれません。

 

背骨が左右に曲がっていて、痛みのある方に骨格整体いたします。

 

 


骨格整体のやり方について

 

施術の実際のところを簡単に紹介させていただきます。

 

基本は

関西指圧の第一人者である吉岡祐三郎先生からご指導いただいた方法ですが、

経験の蓄積から、そこに私なりのやり方もプラスして現在のやり方になっています。

 

1、問診

どんな具合かできるだけ詳しくお聞きします。

 

・痛みはあるか、どんな痛みか

・どこがどんな風に不調か

・いつ頃からか

・いつもなのか、どういう時か

・どうなりたいのか

・さわってほしくない場所はあるか、なぜか

 

など、通常の問診です。

 

2、検査

うつ伏せになっていただきます。

頚椎〜胸椎〜腰椎〜仙骨までの背骨の両脇の筋肉を押さえなら、曲がり具合を確認していきます。

また、両脚の向きや足首の曲がりの方向も視認します。

 

3、指圧器

より筋肉の固い方の頚椎〜胸椎〜腰椎の片側の筋肉の凹みに指圧器を入れて、多裂筋を緩めます。

次に反対側も同様に多裂筋を緩めます。

 

4、指圧

百会、分界項線、両頸部〜両肩上部〜肩甲間部、背骨の両脇(一線、二線、三線)

 

5、もみほぐし

側頭部〜頸部〜腕〜背部〜側背部〜腰部〜臀部〜脚部〜足底

 

6、整体

骨盤調整、足首回し、全身ストレッチ

 

7、確認

もう一度背骨の曲がり具合を確認して、まだ固い筋肉があれば、さらに調整します。

 

トータルで60分から90分くらいですが、お子様なら30分で大丈夫です。

 

側弯の程度により、1ヶ月後の再訪をお願いすることもあります。

 

だいたい、一回か二回の施術で骨ははまりますが、肉の変形がある場合は左右の見た目が揃うまで半年くらいかかります。



施術メモリー1

42歳 女性 逆S字彎曲

 

初めての側弯症

 

当時まだ専門学校に通いながら、アロマとリラクゼーションのバイトをしていました。

アロママッサージはオイルを素肌に塗布するので、背骨の彎曲に驚きました。

20度以上あり、背中に痛みが出るとマッサージを受けるとのことでした。

中学生の時から経過観察ということで、30年曲がったままだそうです。

筋肉の堅い部分を押したり揉んだりして10度くらいまで改善はしましたが、私の力でこの背骨をまっすぐにするのは無理だと思い、指圧の師匠に相談しました。

すると、吉岡先生は「堅いところだけ押してるやろ?」と私の施術の間違いをすぐに指摘されました。

「背骨の両側を上から下まで全部押して、背骨をゆるめなさい。」と教えていただいたので、指圧器を使ってしっかり緩めたところ、

数ヶ月かけてもややカーブがゆるくなっただけの背中が、二回目の施術で見事にまっすぐになったのです!

喜びのあまり、彼女の背中をペチペチたたきながら「背骨がまっすぐになりましたよ!」と興奮して伝えたのですが、彼女は「そうですか?」と寝ぼけたような返事でした。

半月後に再来店された彼女は、いきなり私の手を両手で握りしめて「先生はゴッドハンドです!」と感謝してくださいましたが、今度は私の熱が冷めていて「いや、ただ、指圧の師匠に教えていただいた通りにやっただけですから、ゴニョゴニョ」というチグハグな感動とともに、彼女は長い側弯症生活から解放されたのでした。

その後は、先に骨がはまったことで短い筋肉が引っ張られて痛みが生じていましたが、それもだんだん軽くなり、変形していた背中が左右対称に揃っていきました。

 

この時は、私が数ヶ月かけてカーブをゆるくしていたからたった二回でまっすぐになったのだと思っていたのですが、正しい方法で施術すれば、一回か二回でまっすぐにはまってしまうんだということは後になって知ることでした。


施術メモリー2

 

左カーブ、右肩肥大

 

60代男性、赤ちゃんの時からの変形で小学校の検診でいつも指摘されるが、生まれつきのものと思い、そのまま60年経過。

筋肉の厚みに左右差ができてしまっていた。常に引っ張られる状態で右側だけ筋トレと超回復を繰り返すような状況で肥大を続けたものと思われる。

 

職場で順番でたまたま担当になったお客様をうつ伏せになっていただいて普通に背骨チェックしようとしたら、とんでもない側弯に驚き、

「あの〜、背骨曲がってますけど、お手入れしましょうか?」

と、お伝えしたら、

「あぁ、治せるんだったら治して。」

と、きわめてあっさりとした軽い返答。

「わかりました。」

と答えてからいつも通りに背骨の両脇に指圧器を当ててしっかり押してからストレッチをかけました。

お互いに特に成果もなく、普通に気持ちいい施術でその時は終わりました。

「徐々に背骨が整っていくと思いますので、1ヶ月後くらいにまた来てください。」

と、お伝えして最初の出会いは終わりました。

 

二週間後くらいに再来店され、2回目の施術は指名されました。

「背骨の歪みが治ってきたみたいなんですよ。スゴイです。こんなことは初めてです。」

と、喜んでくださっているので、

「では、うつ伏せで背中を拝見ささていただきますね。」

と、チェックしてみると、背骨が全体的にまっすぐになったことで胸椎3番と4番の間のズレがはっきり見てとれました。

基本的には前回と同様に、ズレ部分を特に丁寧に施術したところ、きちんとはまってくれました。

私の推測では、赤ちゃんの頃に右肩から落下するなどして強い衝撃を受けて、肩甲骨上角が背骨を押してズレが生じて、しかし、神経を守る為に背骨全体が緩やかに曲がることで身体に異常を生じることなく成長できたのでしょう。

 

それからまた1ヶ月くらいたって3回目の施術をさせていただきましたが、二十歳の頃に酷いムチウチになってずっと横を向くことができなかったということで、引き続きムチウチ後遺症の手当てをすることになりました。

背骨はまっすぐに整ったものの、肥大した右肩が戻らないので、鍼灸師の助けを借りることにしました。

先に背骨がまっすぐになってしまったことで、腹膜などが少し破れたみたいでお腹に広範囲に内出血の変色が見られましたが、また1ヶ月後にはキレイに消えていました。

 

ご本人は、生まれて初めて膝がまっすぐ前に出たとの変化に喜んでおられました。

特に強い痛みも出なかったそうです。

 

その後、

右肩の肥大した部分の肉の吸収には半年を要しました。その間、便秘など腸の不快な症状も出現したが、左右の筋肉が均等になるのと時を同じくして快調になったそうです。


施術メモリー3

 

逆S字変形、12歳女子

 

背中に痛みがあり、学校の健康診断で軽度側弯と指摘された、とお母様が連れて来られました。

 

30分の施術を一回で完了。

 

8ヶ月後に背中の痛みが再発したと、また、連れて来られましたが、背骨の歪みは無し。

放置すれば、また、歪みが出たのかもしれません。

一回目と2回目の間の8ヶ月間は一度も痛みが出なかったそうです。

 

以前に読んだ本に、甘い物の食べ過ぎで肝臓が腫れて逆S字変形が生じると書いてあったことを思い出して、

「甘い物をたくさん食べましたか?」

と、質問してみたら、

親子で顔を見合わせて、

「白い帽子や!」

「もうやめときと言ってるのに、一箱全部食べやったんです!」

甘い洋菓子を大量に食べたそうです。

もともとは、五年生〜六年生の時に急成長した影響と、重い通学カバンをいつも左肩に掛けていたことが悪影響を及ぼしていると思われたので、

 

いつも同じ肩にカバンを掛けずに時々交代することと、

 

甘い物を食べ過ぎないように留意してもらって体調を維持していただいています。


施術メモリー4

 

60代男性、カーブ&ひねり

 

生まれつきか、気づいた時には背骨が曲がっていて、特に痛みも違和感もないので放置していたが、30代の頃から、

母親が、「お金は私が出すから、専門の所に行って治してちょうだい!」と懇願されて以来、たくさん挑戦してみたものの治らず仕舞いで既に諦めていたところ、紹介で施術することになりました。

 

こんな奇妙な変形が戻るかどうか確信はなかったものの、通常通りに施術して、1ヶ月後の再訪をお願いしました。

 

2回目に背骨をチェックしたところ、全体はほぼまっすぐになっていましたが、胸椎3番が左に平行ズレ(胸椎2番と4番の間の3番だけがダルマ落としのようにズレていました。)

しかし、施術は通常通りに行いました。

また、1ヶ月後の再訪をお願いしたのも同様です。

 

3回目でチェックしたところ、背骨はまっすぐに整っていて、ご本人も感動したそうで、心配されていたお母様にも報告なさったそうです。

 

私の推測ではこの方も右肩甲骨上角からの衝撃的な圧迫で胸椎3番がズレてしまったものの、神経を守る為に背骨全体が曲がっていたものと思われました。

 

ご本人も知らなかったそうですが、治ったことを報告した時に初めてズレた原因をお母様がお話しになったそうです。

2歳になる前くらいに、当時経営されていたお店の職人さんが高い高いをしてあやしてくれていた時に受けそこなって、床に右腕から落下して号泣するという事件があり、それ以来背骨が曲がっていて、お母様は心をいためておられたそうです。

背骨が整ったことを聞いて、とても安心して喜んでくれたそうです。